簡単な「ステンレス」とは

はじめに

今回はステンレスの特徴と基礎について書いてみたいと思います。

ステンレスは、英語で「Stainless Steel/汚れ(錆び)ない 鉄鋼」と表記されるように、すぐに錆びてしまう鉄に代わる金属として発明されました。

ステンレスは耐食性や強度を向上させるために、主成分である鉄(Fe)にクロム(Cr)やニッケル(Ni)を混ぜることで作られる「合金」にあたります。

金属加工業に携わっている方には常識な材料についてですが思わぬ発見があれば幸いです。

ステンレスの特徴

 

①錆びない

鉄が「錆びる(腐食する)」という現象は、酸素が鉄と結び付いて「酸化鉄」が発生することで起こります。

ステンレスは、鉄にクロムを混ぜることで、表面に不動態皮膜と呼ばれる膜を形成します。
クロムは鉄よりも酸素に結び付きやすい特性から、鉄が酸化するよりも先にクロムが酸化し、酸化皮膜となって表面を覆います。
傷がついてもすぐに再生するこの膜のおかげで、錆の発生を防ぎます。
この膜は、1ナノメートルと極めて薄く、無色透明であるため肉眼では確認できません。

②耐食性に優れる

アルミニウムは、空気中ではステンレスと同様に酸化皮膜を形成するため、錆の発生や腐食を防ぎます。この優れた耐食性を活かし、建築や自動車、海洋開発などの分野で活躍しています。

③磁性がない

一般的に「ステンレスには磁石に引っ付かない(磁性がない)」と知られています。
そもそも、なぜ「ステンレスには磁石が引っ付かない」かというと、鉄にクロムを混ぜてステンレスを製造する際に、より錆びにくくするために加えるニッケルが関係しています。
このニッケルを含ませると磁性がなくなり、磁石に引っ付かなくなります。

④耐熱性と保温性が高い

ステンレスは、熱伝導率が低く耐熱性や保温性に優れているため、水筒やポットの内壁に用いられることが多いです。反対に、放熱性に劣るため、熱を持ちやすいエンジンパーツなどにはステンレスが用いられることはまずなく、放熱性に優れるアルミが使用されます。

⑤電気を通しにくい

ステンレスは、鉄や銅と比べて電気を通しにくい特性を持っているため、通電箇所に用いられることはまずありません

⑥毒性がない

アルミニウムは毒性がなく、無害・無臭で衛生的です。重金属のように人体を害したり、土壌をいためたりしないため、食品や医薬品の包装、飲料缶、医療機器や家庭用器物などで広く活用されています。

⑦難削材として知られる

ステンレスは難削材と言われています。熱伝導率が低いため、切削加工時には発生する熱が逃げにくく、工具刃先に負担がかかり、摩耗が進行します。
また、加工(応力)することで硬さが増す加工硬化性もあるため、工具寿命が短くなります。

まとめ

以上がステンレスの代表的な特徴です。
SUSの種類によって適材適所が変わっていくのでそれだけは注意してぜひお役立てください。




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